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ミラノサローネ2008

2008年9月12日

デザイン

松下電工主催のセミナーへ。
今回の企画は「ミラノサローネ」のレポート。
(場所はたまたまモードスパイラルタワーズ。教え子にも遭遇・・)
実際終わって数ヶ月経ち、雑誌でも目にする機会も多かったのですが
レポーターの長町氏(自身もデザイナー)のスライドショーとトークが
より理解を深めてくれました。
まずは敬意を表して松下電工の展示。
深澤直人とウルキオラを起用しています。
周知のように、既に深澤氏UBは商品化。  ウルキオラはマッサージチェアが。
サローネではキッチンが。            これこそ商品化熱望です
(らしいデザインですね)      

松下(もうすぐPanasonic)は空間構成はシンプルで照明も自社の
ホームアーキを使い、決してサローネのためだけの演出でなく好印象。
リポーターの方が言ってましたが、出展企業の中で、キッチンからトイレから
照明からマッサージチェアまで扱うメーカーなんてヨーロッパ中探してもナイって!
ある意味凄いけど、日本は経済的な発想はアメリカ的。
特にイタリアなんか経済大国でもないし、企業が売り上げ伸ばしてどんどん
大きくなろうなんて姿勢が見受けられない。
そのかわり、ものづくりの思想やそのデザイン力は日本の企業力では出せないですよね。
イタリアにはキッチンメーカーが2000社以上あるって言ってました・・・(分かり易い例えです)
ウルキオラは最近メディア露出度高いですよね。
(去年モードの学生が卒業旅行先のフランスで彼女を真近でみたらしい)
家具のMOROSOではアウトドア用のサマーベッド。
彼女の手にかかればビニールチューブのチェアもクール!

ひとつ驚いたのが、一人のデザイナーがあっちこっちの企業ブースに
複数デザイン提供していること。(ウルキオラなんか引っ張りだこです)
日本ではあまりないことですよね・・・(タブーというか・・)
次は日本が世界に誇る吉岡徳仁。         他にもスワロフスキーではダイヤモンド
MOROSOからはフエルトの意匠が        カットしたクリスタルをアクリルに閉じ込
繊細なチェア「BOUQUET」             めてます。こちらは息をのむ繊細さ。     
                                            

吉岡氏もいろんなメーカーから出展していたようですが、毎年、それぞれ
その表現手段は多岐に渡る。
片や、深澤氏の作風は共通して、ストイックなまでのミニマリズム。
日本のわびさびを具現化したかのようなデザインは海外ではより評価が高いでしょう。
もちろん青二才がえらそうなことは言えませんが、個人的には前者の吉岡氏の
スタンスが好みです。
建築設計でいえば、特に住宅は施主によって十人十色。
だって色んな「デザイン」をしたいですから。
LEXUSはNENDOを起用。            ・ ・
世界のヒノキ舞台に若手を使うトヨタの姿勢に、唯一感心。

柱状の作品は、自然界で最も硬いダイアモンドの分子構造をモチーフに
「軟らかいけど強い」構造体をデザイン。 ゆらゆらと動いているそうです。
Canonは建築家の石上純也を起用。
(中村拓志と並んでメディア露出度高いですよね)

整然と無数に並ぶ椅子。実は紙でできた模型と、実際にすわれるスチール製と
入り混じってます。表面には鉛筆でドローイングし、それをプリントしたものが
貼ってあり一見区別不能。
「Neo Real」を表現しています。
他にもTOKYO WANDERなど日本人デザイナーも多数出展しています。
大御所ではオランダのデザイン集団Droogを主導したマルセルワンダース
(ちなみに超イケメンです)
ドローグといえば、こないだのオランダ旅行でDroog Homeのショップにも行きましたよ!
この作品はスワロスフキーから。

壁画にはタイルとクリスタル。これに対比したシャンデリアはシャワーで
実際に水が出て、水着の美女モデルがシャワーをあびていたとか・・・
もうやることがアバンギャルド!クレイジー?
こんなデザインは日本人にはできないですね。
もう一人はザハハディドを紹介。(イスラエル人女性です)
建築界のノーベル賞といわれるプリッカー賞を受賞してからというもの
露出度高いです。
(デコンストラクチャーで登場した頃は実際に建つのか?という作品ばかりでしたよね)

こちらもスワロフスキーからで、写真のひとつひとつが宙に浮いたように見え
どうなってるか不明だったらしい。
近づいて写真を撮ろうとしたら、2m、100kg級の黒人ガードマンがやってきて
「No Picture」って・・・
他にも書き足りないですが(セミナーで聴いただけの情報ですが・・)
少し考察を。
2008年はどのメーカーもデザイナーも益々、環境・ECOを意識したもの。
シュレッダー後の紙くずを使った作品が多かったというのが印象的でした。
あとはヨーロッパでもいよいよLEDが本格化。
水栓の先にリング状に・・ 洗面ミラーの周りに・・ キッチンの手元灯に・・と。

レポ-ターの方のコメントで、ヨーロッパのライティングデザインは点光源を好み、
日本人はラインでの光源を好むと(シームレスとか)。。。(少し納得)
キッチン収納の棚がアクリルで、小口エッジにLEDの点光源が表れるスライド写真には
やりすぎ感も覚えましたが、確かにAUDIではR8のフロントで採用したのを前例に
今後他のラインナップでも統一化していくカンジも見られますね。
あとは、しばらく続いたマットなテクスチャーから、ここ数年来、全艶が完全復活
の傾向。インパクトのある素材使いも多くなっているようです。
例えばキッチン。
日本でもTOYO KITCHENの最近のラインナップをイメージしてもらえば
おわかりでしょうか。
以上長々と書きましたが、なかなかタメになるセミナーでした。

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