今年度から愛知産業大学建築学科の非常勤講師をしており、夏休み前最後の授業の一環として
学生達を連れて豊田市美術館へ見学に行ってきました。
ちょうど企画展として「ジブリの立体建造物展」を開催中、しかも藤森照信氏が監修と
いうことで建築見学とセットで絶好でした。
まずはアプローチから。
谷口吉生氏の美術館建築と作庭の関係性においていくつかパターンがあるが、
こちらは建物のフロント部分に庭を配し、ここを通ってアプローチさせる。
(他には、土門拳記念館にみられるような庭を建物の横に置きこれを観ながら内部へいざなう、
もうひとつは、MoMAにみられるような内部に入ってから庭をみせるパターンなどがある)
ちなみにこの庭の設計はピーターウォーカーとの協同によるもの。
そして土門拳記念館同様、水盤との関係。
豊田市美術館ほどの広大な敷地と、これだけの規模の建築は豊田市の財力によるわけで、
延床面積は土門拳のそれの約5倍ほどで、谷口氏設計の美術館のなかでも2番目の規模。
水盤のフロントにある屋外アートはダニエルビュランの作品。
開館当初はなく、数年後に新たに設置された。
新婚旅行で訪れたパリのパレロワイヤルの作品が印象的だった。。。
ストライプがモチーフの作品が多く、コムデギャルソンのコラボアーティストになったこともあったはず。
内部空間は撮影禁止なので写真はないが、作品のみせ方の妙技について解説しながら内覧。
特に企画展展示は対象物としての作品を、正対してみせ、横からみせ、はたまた斜め上から
俯瞰でみせたり、と建築空間を巧みに操作して来館者の目線を楽しませる。
何回来てもイイと思わせる美術館です。
ジブリの展示もかなり見応えあり。
劇中登場する建造物の意味、様式など徹底的な考察からつくられた描写はかなり周到なもので
あることがうかがえる。
ひとつの建物を描くのに、スケッチばかりかちゃんと平面図まであったりと、宮崎駿氏は
建築設計者ですね。
学生達と茶室で一服。