2008年11月19日
建築士会青年部主催の現代建築家レクチャーに行ってきました。
講師は若手注目株といえるでしょう、永山祐子氏と石上純也氏。
永山祐子氏はあの青木淳の事務所出身。
青木淳はルイヴィトンの直営路面店の多くを設計してるといえば分かり易いでしょうか。
彼女も独立後、京都大丸店を設計しています。
ファサードデザインに京都ならではの町屋の格子スリットをモチーフにしたいと考えたとき、
クライアントをくどくのに、何かよい材料がないかとヴィトンの過去の商品をくまなく調査し、
今ではお目にできないストライプ柄のトランクの写真を見つけ出し、説得にこぎつけたと。
偏光板を重ねた媒体は、店の前を行きかう人が水平移動すると、立体的な光が織り出され
現代的に表現されています。
この作品を機に、偏光板によるグラフィックパターンを研究し、パウルクレーを
意識し、光や発色に対しての感覚が強まったといいます。
事実、この偏光板を重ねる光の手法について特許をとったそうです・・
(パウルクレー・・・納得↓)
光の色についてや、配列による色の認識の違いについてや、
「どう見えるかは、どう照らされているか、によって決まる」といったコメントが
記憶に残ります。
物件のスライド紹介では、店舗では他にアンテプリマ数店と、住宅や葬祭場と
「届かない場所」というエキシビジョンがありました。
全体的に女性ならではの発想や、哲学的思考が印象的で個人的には好みでした。
次は石上純也氏。
こちらの名前の方がご存知のかたも多いはず。
ミラノサローネでは、2005年のLEXUSに引き続き、今年2008年はCanonを担当。
(以前のブログで・・・)
あの妹島和世事務所(←こちらはもう説明不要ですね・・)の出身です。
キリンアートプロジェクトでの長さ10m、厚みは3mmの一枚鉄板の「table」の
製作話は、なかなか興味深いものがありました。
写真にある、テーブルの上の皿やコップなどは全て重量をはかり、それらを計算された
ポイントに載せて、その重力を利用してテーブル鉄板の反力(そりかえり)とバランスを
緻密に構造計算しているというもの。
神奈川工科大学の工房では、壁にガラスのカーテンウォールと軽快なフラットルーフ。
構造は数百本の鉄骨柱で構成しています。
その数百本の鉄骨柱は全て形状が違い、彼いわく空間の使い方とのバランスをみて
レイアウトしてあるとのこと。
この全ての柱を構造的に解析するのに、このプロジェクト専用のプログラムをオリジナルで
作成したとか。スライドでは一本一本違う柱の鉄骨詳細リストをみせられ、絶句しました。
もうおヲタの域です。。。
まだ作品は少ないですが、メディア露出は多く、まさに今どきの建築家です。
(当日もロン毛にニット帽を深々とかぶり、しゃべりは少々・・)
そういう自分は・・・
もっともっと頑張らねば・・・