過日のこと、友人に声掛けいただき盛田昭夫塾観覧と、INAXライブミュージアムでの企画展鑑賞およびトークセッション聴講。
物心ついたときからデジタル家電はSONYと決めていた。
家のTVはSONYだったし、高校生のときに初めて買ったWALK MAN、ラジカセ、ステレオコンポ、ビデオレコーダー、VAIO、ICレコーダー、プロジェクターと枚挙にいとまがない。
もちろんデザイン性に惚れただけでなく、盛田昭夫氏にも傾倒し、「学歴無用論」も読み、一時期はSONY株も所有していた。
そんな盛田昭夫氏のお膝元常滑、かつ生家の横に記念館ができたとなれば。
記念館は予約チケット制、内部は特定のエリア以外は撮影OKである。
盛田氏の渡航歴を物語るパスポートやスケジュールを記録したメモの数々。
その仕事人生がうかがえる展示などなどは見応えあり。
現存はしないが東京の邸宅の写真や図面も。
国内外から何百回という来客のもてなしの宴席をもうけ、その席配置から食事メニュー、ワインのリストまで克明に記録したものが残っているというから驚きである。
隣接する鈴渓資料館は盛田家の歴史資料が保存されている施設で、館長が懇切丁寧に解説してくれた。
そう、盛田昭夫は盛田酒造第15代当主でもあった人物なのである。
その後、INAXライブミュージアムどろんこ館で企画展鑑賞。
奈良を拠点に福祉施設を運営する一般財団法人たんぽぽの家の企画で、常滑在住のディレクターと常滑の福祉施設、それから常滑のタイル業を営む2社のコラボによるタイルの作品の展示。
そのタイル業者の1社が友人で、福祉施設で就労する人たちの独創性あるタイルのために原料や施設を提供。
作品になるまでのプロセスを写真やトークセッションで視聴することができた。
テーマである「ニュートラディショナル」とは福祉と伝統工芸のものづくりの可能性を探るもの。
たんぽぽの家の取り組みは日本各地の伝統工芸の現場に伝播している。建築に関わるものとしては注視していきたい活動であるのだ。
常滑という地で、世界を席巻した電子機器から一転、土に思いを馳せる濃い一日だった。声掛けからさらに終日案内してくれた友人に感謝!