2015年9月7日
日経の記事より。
近い将来、防火地域の市街地でも木造の中高層ビルが増えてくる。
記事はシェルターという山形の会社の「クールウッド」という商品をアピールする一面広告だが、
大手ゼネコンでも木造耐火の技術に注力している。
竹中工務店は「燃エンウッド」
鹿島建設は「FRウッド」として展開。
ただし後者2社は耐火1時間までは認定取得だが、前者シェルターは耐火2時間まで
認定取得している。
シェルターは3時間耐火の認定も視野に入れているよう。
ここで何時間耐火とは。。。
通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために
当該建築物の部分に必要とされる性能を、時間で表したもの
下の画像参照だが、木造1時間耐火の認定をうけた柱、梁を採用すれば4階建てまで法的に可、
木造2時間耐火の認定をうけた柱、梁を採用すれば14階建てまで法的に可能で、
3時間耐火の認定がとれれば、それ以上の高層ビルも可能となる。
例えば高層ビルの上部4層のみ木造とか、耐火2時間なら上部14層まで木部を
露出したような建築も目にすることになるかも。。。
ただしあくまで「耐火構造」に関しての解釈であり、構造的に持つかどうかは構造計算
によるが。。。
木部露出といっても、純粋な無垢ではなく、シェルター「クールウッド」や竹中「燃エンウッド」は
芯材の木部をモルタルや石膏で覆って、その上にさらに「燃えしろ」としての木を貼付けている構造。
鹿島「FRウッド」は無処理の芯材木に、薬剤注入による難燃木で巻いてある構造。
国は現在28%の木材自給率を2020年までに50%に引き上げる目標を掲げており、
五輪開催をそのきっかけにしたいと考えている。
安倍首相は、東京オリンピック・パラリンピックの主要施設の整備に木材を利用すれば、木の良さをアピールする絶好の機会になると熱弁しているよう。
農林水産省も、五輪の訪問客を国産材を用いた和の空間で「おもてなし」する方針を打ち出している。
さて、新国立競技場やエンブレム問題で揺れる我が国だが、さらなる「木造耐火」の技術進化が
名誉挽回のきっかけとなれば。。。