2014年8月25日
「風立ちぬ」を戦争映画と捉えるべきではないとおもうが
レンタル開始タイムリーな2本の映画を、このお盆という期間に観た。
「風立ちぬ」
説明する必要はないであろうジブリ作品、かつ宮崎駿監督の引退作品でもある。
実在の人物である堀越二郎をモデルに、その半生を描いたストーリーであるが、
堀辰雄の小説『風立ちぬ』からの着想も盛り込まれている。
どんな批評をみても賛辞のコメントが多いが、率直な感想としては「戦闘機」を設計する
青年の夢を描いた作品であることに、漠然と違和感を持った事も否めない。
この映画の最大のテーマは夢であろうか。
「自分は夢を追うために全力を尽くせたのか?」
自問自答しているシーンは深い。
宮崎監督自身こんなコメントを残している。
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アニメは子供のためのものと思ってやってきた。武器を造った人物の映画を作っていいのかと葛藤
があった。でも生きていると、何をしても無害のままでいることはできない。武器を造ったから
犯罪者だと烙印(らくいん)を押すのもおかしい。
戦争はだめだなんてことは初めから分かっていた。それでも日本人は戦争の道を選んだのだから、
二郎に責任を背負わせても仕方ない。
車は人をひくし、人を助けもする。そういうものが技術で、技術者は基本的にニュートラルなものだ。
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宮崎監督も自身最後の作品だからあえてこの題材を取り上げたのかな。
漠然と抱いた違和感も中和されたとしておこう。
映画を観た後には、こちらも是非ご参照を。
企画書。
ちなみに「風立ちぬ」とは風が立ったという完了形である。
最後に。
個人的には主人公の声、庵野秀明が残念だった。。。
一方、「永遠の0」は、放送作家として『探偵!ナイトスクープ』などを手がける百田尚樹の
作家デビュー作。
この作品で初めて知ったのは特攻が強制ではなく拒否するという選択肢もあったこと。
志願した若者は当時の状況からすれば当然そうする命だったのかもしれないが
自分がその境遇ならどうするだろうか、主人公、宮部のような妻子ある身であれば。。。
「家族のために必ず生きて帰る。それこそが愛ではないか」
逆に思うのは少年特攻兵であれば選択の余地はなかったのかもしれないと。
前述の宮崎駿は、インタビューで日本の航空戦史や元零戦パイロットの証言に反対を唱え、
特攻を美化しているというようなコメントとともに、暗にこの映画を批難している。。。
映画それぞれに作り手の考えや想いはあり、観る人の感想は十人十色でいいんだと思うわけで
自分もその意見をもつことが重要だとおもうわけで。。。
製作にはアミューズも名を連ねており、所属の三浦春馬や主題歌にはサザンも起用。
でも主役に岡田准一が抜擢されたのは、山崎監督が親交のある堤真一からの助言もあり
決定したとのこと。
2015年にはテレ東系スペシャルドラマで「永遠の0」の放送が決定。
主人公の零戦パイロット役は向井理。
小柄な日本人体型の岡田准一がこの主人公には適役だったとおもうが向井理はいかに。。。