クリムト展とあいちトリエンナーレ鑑賞のため、6月にリニューアルオープンした豊田市美術館へ。
クリムトが生きた時代のウィーンは他の欧州諸国で新しいものを取りいれる機運に比べて保守的。そんな中クリムトが先導したウィーン分離派。 分離派はジャンルを超えて表現、建築、絵画、工芸などに及ぶ。
クリムトの特徴の一つ、絵画に金色を使うのは当時では古代ビザンティンなどのむしろ古い表現だったが、一方で金箔を用いる琳派の影響など日本美術の受容が随所に。
陰影のない表現は浮世絵から、衣服の色彩は日本の着物の影響からくるもの。
そして質の違うものをあえて共存させている。 余白のある肖像画は西洋風である一方、額は日本的な設え。
人物は写実的に、空間は遠近法で。
クリムト展の混雑に比べて、あいちトリエンナーレ入場が少ないのはちと残念。
美術館すぐ裏の会場、豊田東高等学校の高嶺 格の作品が爽快。
社会の中で見えにくくなっている問題を作品に投影。
調べればダムタイプのメンバーだったと。