かつての駿河国駿府藩、静岡散策の旅へ。
まずは日本新三景の一つ、羽衣伝説でも有名な三保の松原。
三保半島越しの富士。三保は世界文化遺産富士山の構成資産でもある。
三保松原文化創造センター「みほしるべ」(設計はアプルデザイン)
続いて日本平ホテル。こちらはエントランスからつながるメインダイニングの壁に左官職人 久住有生氏の仕事が。
高台に位置するこちらは広大な芝生庭越しに富士山を望める。
次はこの旅の主目的である久能山東照宮。夢テラスからロープウェイで下った場所に位置。
社殿の垂木先端の家紋に注目。あえての逆さ、なるほどと感心。
息子の秀忠に江戸を任せ大御所として駿府城で晩年を過ごした家康は、自身の病の重態を知り遺言を書く。
遺体は久能山に葬り、江戸の増上寺で葬礼を行い、位牌は三河の大樹寺に、一周忌のあとには日光に小堂を建ててそちらに分霊を移してほしいと。
諸説あるが、家康の亡骸はこの久能山にある(はずである)からこそ訪れてみたかったのである。
そして駿府城公園。巨大な家康公像。鷹を左手に。
今はなき駿府城の天守、その発掘調査見学。そこでの情報によると天守台の推定規模は日本一で江戸城の1.5倍もあったと。
東御門の梁が超太いのも物語る。
2023年にはSANAA設計による歴史博物館がすぐ横に開館予定でこれまた楽しみ。
今川、武田から徳川へ、家康晩年の地 駿府は現代にも街のいたるところで葵の御紋を目にし「徳川」を色濃く残す。
静岡駅にほど近い浮月楼は15代将軍慶喜が隠居した場所であり、現在は料亭となっている。
おまけ。
帰路、掛川の資生堂アートハウス。
建築家谷口吉生氏の設計。先日投稿の豊田新美術館も素晴らしい建築だが、こちらは初期作品であり小規模ながら良き。
観覧者は順回路をたどるなかで作品をあらゆる角度、視点から観ることができるよう仕掛けられていて、スロープや階段を経由することでの空間体験も含めて芸術を楽しめる。(2017.6月 日経「私の履歴書」で資生堂アートハウスについて)
今回、企業資料館は休館中であったが、以前訪れたときにそちらも観覧し、資生堂の文化芸術奨励の企業姿勢は本当に素晴らしいのである。